DR-Z400Sのヘッドライト改善計画  (2014年4月29日)

DR-Z400のヘッドライトが暗いのは有名です。
35/36.5Wのランプだからです。
実際に暗いですし、車検の時に「光量不足」で不合格になってしまうのです。
最近の原付スクータの方が明るいぐらいです。

そこで55/60WのH4バルブに交換します。
ちなみにUSA向けのDR-Z400は、初めから55/60WのH4バルブです。
なぜ国内向けは暗いライトなんでしょう?

H4化の前にヘッドライトリレーの検討をします。
以前、Power MOS FETを使ったリレーを作りました→ここをクリック

うまく働いたのですが、突入電流低減のためにFETのゲート電圧の
立ち上がりをCRによる時定数でなまらせていました。
しかしながら0V(完全にOFF)から+5V(完全にON)までなまらせて
いたので、スイッチをONにしてからライトが完全に点灯するまでの
タイムラグが気になりました。

FETがON/OFFする閾値付近(+2.5V付近)のみをゆっくりと立ち上げれば
突入電流の低減という目的に叶うので、マイコンのPWM出力で実現する
ことにしました。

実験回路をユニバーサル基板で作りました。


実験中です。


点灯〜〜〜


ゲート電圧はこんな感じで変化します。
+2Vまでは早く立ち上げ、+2V〜+3Vまでをゆっくり立ち上げ、
+3Vから+5Vまではまた早く立ち上げます。


 
電流波形を測ってみました。
PWM区間の真ん中辺りで電流がピークになっています。


 
ゲート電圧をPWMせずに、ポート出力を単純に OFF→ON してみました
(しかし3.3kΩと1μFのLPFがあるため若干、立ち上がりがなまっています)。
それでも40Aも流れています。
LPFが無かったら、もっと多くの突入電流が流れているでしょう。
以前の実験では50Aぐらいでした。

PWMすることで、H4バルブのフィラメントへの突入電流が緩和され、
H4バルブの寿命が長くなることが期待できます
(バルブが切れるのは、たいていONした瞬間です。これは切れかけている
フィラメントに大きな突入電流が流れるからです)。


うまくいくことがわかったのでプリント基板にして小型化します。
いつものようにpress-n-peelという青色の特殊紙にレーザープリンタで印刷し、
生基板にアイロンプリントします。


エッチング完了。


実装完了。
抵抗・コンデンサ・ダイオードの大半を1608サイズ(1.6mm×0.8mm)のチップ部品にしました。


さてライトユニットを交換します。
左がDR-Z400のオリジナル、右がヤマハのXT250Xのものです。
XT250Xのライトユニットの方がずいぶん大きいのですが、
レンズ部分の窪みがピッタリとライトカウルにはまり込みます。


取り付け金具を自作しました。


ライトユニットの下側の角ナットです。ネジを締めると上に向きます。
幅10mm、厚さ3mmのアルミ板に雌ネジを切りました。


こちらはライトユニットの上側です。
10mm×20mmのLアングルがフィットします。
ここを支点にライトユニットが上下に回転します。


堂々、完成です。
写真はマニュアル露出(ISO=3200、絞りF=3.5、シャッター速度=1/30秒)で撮りました。
路側帯の白線が白くハッキリと見えます。
めでたし、めでたし。

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