DR650SE  LEDテールランプの製作 (2017年6月18日)

DR650のテールランプ・ストップランプをLED化しました。


スイッチング式の定電流回路を組み、LEDを点灯させました。
オシロの画面は電流波形です。リップルがかなりありますが
LEDの点灯用なんで、まあいいでしょう。


5個直列にして点けてみましたが、直視できないほどまぶしいです。
実際は、4個直列×4=16個点けることにします。


LEDの明るさ、パワー回路は検証できたので、次は制御部の試作です。
マイコンは8ピンのATTiny13Aを使いました。
テールランプ使用時は Duty 20%、ストップランプ動作時は Duty 100%で
点灯させます。

安全のため、ブレーキONした時にウィンクするようにしました。
1.初めてストップSWがONすると5発高速にウィンクします。
 もちろんウィンクした後も、ストップSWがONだったら
 ランプはONのままになります。

2.初めてストップSWがONしてから2秒以内は
 再度、ストップSWがONすると5発高速にウィンクします。

3.初めてストップSWがONしてから2秒を過ぎて、
 その後の4秒間は、3回高速ウィンクします。

4.初めてストップSWがONしてから6秒経つと、
 ウィンク動作はしなくなり(普通の動作になり)ます。
 ストップSWがONでランプがON、
 ストップSWがOFFでランプがOFFします。

5.ストップSWがOFFになったまま、8秒経つと、
 元に戻って(1.に戻る)、再び、高速ウィンクします。

*「ランプがOFF」と書いていますが、テールランプの
 機能もありますので、完全に消灯するのではなく
 薄暗く点灯しています(約1/5の光量)。

*ウインクする機能は外部入力端子で無効にできます。

ソフトウェアはオール・アセンブラで書いて、312バイトとなりました。
フラッシュROMの容量は1kバイトですので余裕のよっちゃんです。

これで試作・実験は終了。
プリント基板を作ります。
KiCADでデザインし、業者に発注することにしました。
中国のElecrowという会社に発注しました。
ガーバーデータをメールして1週間足らずで出来上がってきました。

若干、シルク印刷がぼやっとしていますが、なかなか良く出来ています。
10枚で$11.5、送料の方が高くて$13.23。合計で$24.73。3千円ぐらいでした。
実際は基板は14枚送られてきました(おまけ4枚)。基板取りの都合で余ったのしょう。

P板comの1/10の価格ですが、アマチュアが使う分には全く問題ありません。
大満足です。


部品を載せました。全てチップ部品です。
一応、CPU(上半分)とパワー系(下半分)のGNDは分離してあります。

LEDは縦に4個直列にして、それが4列 あるのですが、電流制御回路は1列毎に設けました。
もし電流制御回路が1回路壊れても、縦1列が消えるだけです。


こちらがLEDの付いている面。
この表面実装LEDは手ハンダが非常にやりずらいです。
電極があまり外側に出っ張っていないから。
次回、基板を作る時は、もう少しランドを外側に拡張した方が半田付けし易くなるでしょう。
各列には安全のため、リセッタブルヒューズ("F1"〜"F4")を付けてあります。


なお、「プリント基板」であって、「基盤」ではありません。
時々、ネットで「基板」のことを「基盤」と書いている人がいますが、間違っていますので
「基板」という単語をIMEに登録しておきましょう。


これがノーマル。


 
LED基板に交換したところ。
Lアングルで固定してあります。
ノーマルのテールユニットに穴を2個開けました。
ぴったりと収まるように基板のサイズを決めました。


見え具合の比較写真です。全て同じ条件で撮影しています。
【撮影条件】
 レンズ 18-55mm 望遠端
 ISO 400
 F8 1/250秒
 カラーバランス 曇天
左がノーマルの電球。電球は黄色い感じ。
右がLED。LEDはべったりと赤いです。


 
側面。LED(右)の方がギラギラした感じです。
電球は1点ですが、LEDは16点ありますからこうなるのでしょう。


 
斜め後ろから。やはり右のLEDの方がギラギラした感じです。


これが交換前。


交換後。
テールレンズユニットも換えました。純正品です。
仕向け地によって、大きさが違います。ヨーロッパ向けが小型のタイプになるようです。
部品番号は、大きいのが "35710-32E30"、小さいのが "35710-32E00" です。
小さい方も日本で普通に買えました。
純正部品ですので、形が違ってもポン付けです。


電球は規格では21Wですが、それは供給電圧が12Vの時で、13.8V時には2A流れ、
28Wとなります。

LED化すると、13.8Vで0.32A、約4.4Wになりました。

LEDを定電流駆動しているので、供給電圧が10V〜15Vと変化してもLEDの明るさは変わりません。
また、スイッチング式なので供給電圧が上がると供給電流は減ります(定電力になります)。

ということでだいぶん省エネとなりました。

後は耐久性ですね〜
電気的には、電球の口金部分にアダプタを付けて接続してありますので
この基板が壊れても、基板を外し、電球に交換することですぐに元にもどります。

4年半以上経過しましたが、全く問題なく順調に動作しています。(2022年1月22日追記)


ストップランプ点灯中。
電球だと真ん中1点が光るのですが、
LEDの場合は平面に配置された16個が均等に光りますので
電球よりも明るく、視認性が良くなったように感じます。
色味は鮮やかな赤で、電球と比べて、点灯/消灯の歯切れが良く、
安全性が高くなったと思います。