DR-Z400Sのクラッチ板の交換  (2021年12月4日)

エンジンオイル交換の時機が来ましたので、この機会にクラッチ板を
交換しました(バイクのクラッチはエンジンオイルに浸されていますので
オイルを抜いた時に交換するのが段取りが良い)。


フリクションプレートは8枚あるうちの一番奥のみ型番が違います。
(写真では左側)。
フリクション部分の材質は違うようですし(色が違いますね)、
プレートの内径も違います。一番の奥の1枚だけ内径が広くなっています。


クラッチバスケットの一番奥にはワッシャ(13)、(14) が入っていますが、
一番の奥のフリクションプレート(6)のみ、内径がワッシャの外形よりも広く、
ワッシャから「逃げる」
ようになっています。
つまり2つのワッシャーはこの一番奥のフリクションプレートには触れず、
次の(5)のフリクションプレートと接触するようになっているのです。

ネットに「8枚とも同じものでいい」 などと書いている人がいますが、
メーカーとしては、やはり「意味のある違いを設けている」のだと思います。
非常に重要で安全に関わる部品ですから、
メーカーがわざわざなぜこのようにしているのか

と考えた方が良いでしょう。

私は明確な理由がわかりませんので、私の勝手な判断で
「8枚とも同じでいい」という結論には至りませんでした。
メーカーに従い、パーツリストに書いてある通りにします。


まずは古いオイルを抜きます。これ↑はちょっと前に買った磁石付きの
ピッキングツール。これはいい。熱いオイルが手にかかりません。
スグレモノだ〜
ただ、工具箱に入れておくと、他の工具が磁石にいっぱい
くっついてくるので、このピッキングツールだけ別のところに
保管しないとややこしいことになります(かなり強力な磁石です)。


エンジン下のドレインボルトを外しても300ccぐらいしか
オイルが抜けません。あら〜、オイルがあらへんやん、と
一瞬あせったのですが、DR-Zはドライサンプ潤滑なので
フレームにもドレインプラグがあるのでした(オイルを注入する時も、
このフレームの上部のハンドルポスト付近から入れます)。
もう10回以上、オイル交換してるのに、ボケてました。

(ドレイン付近にゴミみたいなのが付いていますが、オイルが
エキパイにかかるのを防ぐためにお菓子の箱で作ったオイルよけです)


ほい、これで全部抜けました(2リットル弱)。


新品のフリクションプレートはオイルに漬けておきます。
サービスマニュアルには何も書いていませんが、
新品のフリクションプレートにはオイルを染み込ませておくのが
いいはずです。


DR-Zはクラッチ板の所が単独のフタになっています。
普通はクランクケースカバー全体を外さないといけないので
けっこうたいへんなのですが、DR-Zはネジを6個外せば
クラッチ板を交換できます。さすがはレーサー仕様。


6個のネジのここだけ、ブッシュ(ワッシャみたいなもの)を
付けるようになっています(なぜ?)。


フタを取ってクラッチ板が現れました。


クラッチ板を分離するために、クラッチスプリングボルトを
6個外します。全体が回転しないようにクラッチホルダーで
固定します。スクータのプーリーの回り止めは先端が丸いので
クラッチの歯に噛むように新たに買いました("Straight"で¥1500)。


少しだけ緩んだら、ラチェットで少しずつ均等に緩めます。


朝8時から、エンジンオイルを抜くために暖機したりしつつ、もうお昼前。
さあ、完成、と思ったら忘れ物。


ブレーキペダルを外してたのを忘れてました。
昼ご飯食べて、ブレーキペダル付けて、完成。

*フリクションプレートはまだ摩耗限界ではなかったですが
 新品よりは摩耗してましたので、この際、交換しました。

*クラッチスプリングもへたっていなかったですが
 やはり交換しました。

走行=3万kmではクラッチ板はへっちゃらみたいですね。
過酷な走りはしてないんで当たり前ですかね。

ただ、「クラッチの切れ」が非常に良くなりました。
真冬の朝、エンジンを始動して1分ほど暖気、クラッチレバーを
握って1速に入れた時に全くショックがありません。


ブレーキペダルを外して気が付きましたが、凹みができてました。
ブレーキペダルが当たったようです。
ブレーキペダルの当たる部分をグラインダで削っておきました。
チェンジペダルにはその処置をしていたのですがブレーキペダルにはしていませんでした。