VX800 電装系チューニング (2007年7月14日〜2008年7月日)
VX800のヘッドライトとウィンカーランプをマイコン制御にしてみようと考えました。
1.ヘッドライト・ウィンカーのスイッチをPower MOS FETによる半導体スイッチにします。
2.左右のウィンカーを車幅灯にします。
PWMにより、ウィンカー動作時よりも輝度を下げます。
ウィンカーまたはハザードとして動作中は、車幅灯機能はキャンセルします。
バッテリーの電圧が低下している時は、バッテリーの温存のために、車幅灯機能は
キャンセルします。
3.ハザードランプ機能の追加。
4.ヘッドライトの消灯機能の追加。
ヘッドライトがLowビーム点灯時、ニュートラルでない状態からニュートラルに
した場合、その2秒後にLowビームを自動消灯します。
自動消灯中に、ライトをON→OFF→ONしたり、ニュートラルでない状態にした場合は
直ちにLowビームを再点灯させます。
これは、信号待ちで停車した時にライトを自動消灯させることを想定しています。
ノーマル状態の電圧↓ |
条 件 |
BAT端子
(V) |
LIGHT端子
(V) |
2000rpm・ライトON |
14.57 |
13.20 |
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XLR125ほどではありませんが、1.4V の電圧降下があります。
これは改善したいところです。
さて、制御回路の内容は、
・入手性から考えてN-ch MOS FETでソースドライブしたいので、FETのゲート用に
+24Vを作りました。
・入力回路は、青色LED+シリコンダイオードの電圧降下を利用して5V系マイコンと
インターフェースしています。ニュートラル検出だけが他の入力と異なっています。
・マイコンはATMEL社のAtiny26Lを使いました。
・ブロック図には書いていませんが、+12Vラインを監視して、一定以下の場合
車幅灯機能はキャンセルするようにしています(バッテリーの延命のために)。
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まずブレッドボードでいろいろ実験しました。
これは12Vから24Vを作る回路の実験。
コッククロフト・ウォルトン回路です。
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24Vの発生に成功したので次はPWMでちゃんと
減光できるかどうかの実験。
これでDuty=25% (ON時間=2ms、OFF時間=6ms)
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これが100%発光。
うまく減光できるようです。
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Press-n-peelというアイロンプリントでプリント基板を作ります。
右がレーザープリンタでPressn-peelに印字したもの。
これを左の銅箔に熱転写します。
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アイロンで熱転写中。
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熱を加えた後、そろーりと剥がします。
うまく銅箔にPress-n-peelが転写されました。
基板は2枚作りました。
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エッチングして完成。
綺麗にできました。
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部品を載せ、試運転。
左の穴あき基板はウィンカーやヘッドライト、ニュートラルのスイッチなどを
シミュレートするものです。
この段階でソフトも含めて充分なデバッグをしておきます。
入力インターフェースに青色LEDを使っているので
インジケータ代わりにもなっています。
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制御基板はタカチのYM-130(アルミケース)に組み込みました。
一応、FETにはアルミの放熱器を付けています。
発熱はあまりしないはずですが、後から放熱器を付けるのはやりにくいので、
あらかじめ付けておきました。
ここまで、2007年7月中に出来たのですが、1年間も放ったらかしにしてました。
ここから、2008年の7月の作業。
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1年経った2008年7月に、やっとVX800に組み込む気になりました。
外の仕事は暑いです〜(あまりの暑さで昼前にリタイアしました)。
制御基板に異常が起きた場合、すぐに元に戻せるように工夫します。(2008/7/20)
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朝早く5時に起きて続きの配線をします。(2008/7/21)
ライトハウス内の配線から、ヘッドライトのHi/Lo信号、
ウィンカーのL/R信号、メインSWON時の12V出力などを
横取りします(赤丸のところ)。
赤丸の右側の赤と黒の配線は、新たに引き直したヘッドライト用の配線。
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テールカウル側。
ここに制御ユニットを置きます。
無事、完了。おそるおそるメインSWをON。正常に動作しました。
・ヘッドライト〜バッテリー間の電圧降下は0.4Vに収まりました。まあ、こんなもんでしょう。
・車幅灯も動作しました。ちょっと暗過ぎのような気もしますが、夜に動作させてみます。
・ハザード機能は、外部にスイッチを増設しなければならず、これはまだ未完です。みの虫クリップで
入力端子をアクティブにしたところ、ちゃんと動作はしました。
1年がかりでようやく実用になりそうです。
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