450MHzのクロック生成(その2)  (2021年2月27日)

一応、前回で450MHzの出力は出て来たのですが
スプリアスだらけで、使い物になりません。

AMPで増幅する前に、水晶発振器→BPF(150MHz)の
スペクトルを観測しました。


必要な150MHz(3倍波)以外に、150MHzを基準として
 50MHz(基本波) -50dB
250MHz(5倍波) -52dB
350MHz(7倍波) -50dB
450MHz(9倍波) -50dB
が見えます。
50MHzの方形波なので、奇数倍成分が多いのはセオリー通りですね。


ここはもう、作り直してしまいます。
水晶発振器と、3.3Vのレギュレータ以外、みんな取っ払って
しまいました。


複同調を2段から3段にします。
シールド板も付けます。


これはシールド板を付けない状態で測定しました。
150MHz以外が一応見えなくなりましたが、、、


スペアナのRBW、VBWを狭くしてノイズフロアを極力下げて
観測すると、150MHzを基準として
100MHz -72dB
250MHz -73dB
が観測できました。


シールド板を付けました。
100MHz、250MHzがさらにかすかになりました。
シールド板の効果はありますね。
全部、シールド板で囲んだわけではなく、手前の面は
開放のままです(はんだ付けがしにくくなるので)。

150MHz以外は相当除去できましたので
次はこれをAMPに入れて3倍高調波の450MHzを
取り出します。
450MHzのBPFも同様にシールドすることにします。


念のため、0〜2.2GHzまで観測しておきました。
高次の高調波は無さそうです。
来週は、このキレイな150MHzを増幅して、3倍高調波を取り出すことにします。


2021年3月2日
AMPにはやや過大な入力を加えて歪ませます。

パワー配分を考えると、AMPはBGA2800では
出力(-1dBコンプレッション時)=-1dBmしかないので
不足です(Gainは20dB)。
同じBGAシリーズ(同一ピン配列)のBGA2869
使うことにします。このICは
出力(-1dBコンプレッション時)=+10dBmあって強力です。
ただ、Gainが31dBもあって、じゃじゃ馬です。
発振しています。これはだいぶマシになった方で、
最初はもっとめちゃめちゃでした。


アンプIC(BGA2869)パッケージの上側をスズメッキ線を通して
入出力をシールドしたり、GNDへの配線を強化したところ、
発振は収まりました。


現在、こういう構成です。
【XO-50MHz】 → 【R】 → 【C】 → 【BPF-150MHz】 → 【AMP(BGA2869)】

【R】の値を変えて観測してみました。
もちろん、AMPの出力は150MHz成分が一番大きいです。
これがAMP内で歪んで、450MHzを得ます。
450MHzを基準にすると、

 【R=510Ω】
  300MHz -7.3dB
  600MHz -1.8dB
  750MHz -9.0dB

 【R=330Ω】
  300MHz -8.0dB
  600MHz -13.5dB
  750MHz -11.3dB

 【R=220Ω】
  300MHz -3.5dB
  600MHz -8.0dB
  750MHz -10.1dB

です。450MHzの近傍の高調波は低い方がいいので
R=330Ωが良さそうです。
この時、450MHzは+0.6dBmが得られています、

この後、
【0.6dBm】→ 【BPF-450MHz】 → 【AMP2】 → 【BPF-450MHz】 → 【分配器】
と進みます。

AMP2はGain=19dB、出力(-1dBコンプレッション時)=+18dBm
BGA616を使います。もう逓倍は終わっているので歪ませないように
します。

2つのBPF、分配器の合計損失が18dBぐらいあっても
分配器の出力には0dBmが得られ、丁度良いです。
DDSのクロック入力は Min -15dBm 〜 Max +5dBm
(標準で0dBm)です。

さて思惑通りいくかにゃ?