450MHzのクロック生成(その3)  (2021年3月3日)


じゃじゃ馬BGA2869のAMPの出力に
450MHzのBPFを入れました。


450MHz成分は-0.86dBmでした。
BPFを通す前は+0.6dBmでしたから
1.5dBのロスです(まあまあです)。

450MHzを基準にして、BPFに入れる前、入れた後の
レベルを比較すると

周波数  BPFの前  BPFの後  前後の差(BPFの効果)
--------------------------------------------------------------
150MHz +12.4dB -47.1dB   -59.5dB
300MHz - 8.0dB  -24.1dB   -16.1dB
600MHz -13.5dB -42.1dB   -28.6dB
750MHz -11.3dB -44.1dB   -32.8dB

となりました。
シールドするともっと良くなるのかもしれません。
平日なので1時間半ぐらいしか作業できません。

予定ではこの後、リニアなAMPを入れて
その後にも同じ450MHzのBPFを入れるのですが
ちょっと物足りないかも。

BPFの特性が同じならば、最終的に
こうなる↓はずですね。

周波数   BPFの後  
-----------------------------
150MHz -106dB
300MHz -40dB
600MHz -70dB
750MHz -77dB

300MHzの減衰がイマイチです。
150MHzのBPFと同様に3段同調型にした方が
いいかもしれません。出力には余裕がありますので
数dBのロスが増えても、問題はないです。
まずはシールドしてみてから考えます。
300MHzがもう少し減衰してくれればいいのですが。


シールド板を立ててみました。
シールド板が無い時より、いくらかマシ(?)です。
450MHzを基準として

周波数  シールド無し シールド有り
--------------------------------------------------
150MHz  -47.1dB  -47.3dB
300MHz  -24.1dB  -30.3dB
600MHz  -42.1dB  -37.3dB
750MHz  -44.1dB  -41.4dB

う~ん。300MHzでの減衰は6dBほど増えましたが、
高い方は逆に甘くなりました。
この450MHzの分はエッチングして、ちゃんと作り直すことにします。
マイクロストリップラインちゅうもんにします(初めて)。
まあ、両面FR-4の基板で3mm幅の配線ラインにするだけですが。
この後に付けるAMP、さらにその後ろのBPFも含めて
パターン化します。BPFは2段から3段にします。
450MHzの近傍を測定してみました。
SPAN=5kHzです。
いいのか?


これがスペアナの50MHzのCAL信号です。
中心周波数以外は全く同じ条件です。

若干450MHzの方が若干ノイズっぽいような感じですけど、
裾の広がり具合がよく似ています。
9逓倍しているのだから、こんなもんですかね?

私のスペアナの限界を感じます。

いずれにせよ、450MHzの部分は、もう一度作り直すことにします。


2021年3月12日
450MHzの出力部に不満なので、エッチングにて基板を作ることにしました。
久しぶりに press-n-peelでエッチングします。
最近、これでエッチングしなくなったのはうまくできなくなったから。
透明耐熱シートに青色の「何か」を均一に塗ったシートに
レーザープリンタでパターンを印刷します。

このシートを、生基板の銅箔に密着させてアイロンで
熱を加えると、レーザープリンタのトナーが接着剤の役割をして
銅箔に青い「何か」が転写されます。この青い「何か」が
エッチング液の腐蝕に耐えます。
ここがこのエッチング法の要です。

この銅箔への転写がうまくいかなかったのです。

アイロンの熱が充分に加わらないと、銅箔に転写されない部分が
多くなります(トナーが溶けず、銅箔に転写されない)。

熱を加え過ぎると、トナーが溶け過ぎて広がり、
細かい部分が一体化して転写されてしまい、パターンが
くっついてしまいます。

ムカシは0.65mmピッチのSOPもいけたのですが、
最近はぜんぜんうまくいきませんでした。
何度も失敗してイヤになりました。
press-n-peelはかなり強力に銅箔に転写されますので
これを剥がすのは力を入れてスチールウールで
ゴシゴシこすらねばならず、たいへんです
(アセトンで溶かすと良いそうですが、持っていない、
パーツクリーナではぜんぜんダメ、
シンナーは、、、臭いですからやっていません)。

ネットを徘徊してますと、press-n-peelには寿命があるようです。
買って何年もすると青い「何か」が固くなって転写がうまく
されなくなるのです。

そこで新しいpress-n-peelを買いました。
A4大で、5枚で約¥2k。
もったいないので、切って使います。

そしてアイロンをやめて、「ラミネーター」を使うことにしました。
みんなこれでやっているようです。
アイロンだとどうしても均一に熱を加えることができません。
ラミネータ(紙の印刷物を、透明樹脂のフィルムで包む装置)
をamazonで¥3kで買いました。
転写し終えたところ。
ちょっと転写が不十分でした。
ラミネータに10回通したのですが、不足だったようです。
次にやる時は15回にしてみます。
今回は450MHzのBPFを作るので、ほぼ直線のラインなので
テープ(梱包用の透明なやつ)と、マニキュアで修正して
エッチングしました。


まあまあの出来です。
実験なのでこれで充分です。
当然ですがシルクもレジストも裏(ベタアース)へのVIAも
ありません。VIAはドリルでφ1.0の穴をたくさん開けて、
スズメッキ線で、裏表をはんだ付けします。
一応、マイクロストリップラインにしてあります。

共振器同士の接続は50Ωではなく、200Ωぐらいなんですが
それだと表のパターン幅は0.1mmとかになります。
50Ωだと幅3mmぐらいなんですが。

しかしモノの本によると細いパターンはインダクタンス成分が
生じるとのことで、とりあえず幅は1mmにしておきました。
(press-n-peelだと0.15mm幅は厳しい、ということもあって)

うまくいったら中国の基板屋に出す予定です。
両面基板、100mm☓100mm以下、5枚で$4.9って、
press-n-peelの1枚分の価格です。


プリント基板に実装していきます。
シールド板を立てる位置をボールペンで
印を付けておきます。
コイルは前はφ0.8のスズメッキ線でしたが、
今回はφ1.2にしました。高Qを狙っています。


同調3段BPF部分を実装しました。


古い450MHzのBPFをスルーして
新しいBPFに150MHzのアンプ出力を同軸ケーブルで 接続しました。


 これ↑が今回の450MHzの3段同調型BPFの出力です。
以前よりも450MHz以外のレベルが相当さがりました。

450MHzを基準として
 周波数   2段同調
 (シールド無し) 
 2段同調
 (シールド有り) 
 今回の新型 
  3段同調 
 150MHz   -47.1dB   -47.3dB  -59.2dB
 300MHz    -24.1dB   -30.3dB  -55.2dB
 600MHz   -42.1dB   -37.3dB  -46.2dB
 750MHz   -44.1dB   -41.4dB  見えない


前のBPFに比べて、150MHzで12dBほど、300MHzで25dBほど、
600MHzで4~9dB、減衰量が増えました。

この後、リニアに18dBほど増幅して、同様の3段BPFに入れますので
150MHz、300MHz、600MHzの不要成分は見えなくなるはずです。
シールド板もプリント基板の流用(銅の厚み=35μm)から
厚み0.3mm(300μm)の銅板に変えました。
しっかり作れば改善される、という当たり前の結果となりました。
でも加工がたいへんになりました。


両面基板でマイクロストリップラインになっています。
GNDにはφ1の穴をたくさんあけて、適宜、表面と裏面を
φ0.8のスズメッキ線で接続しています。
かなりたくさん穴を開けました。
写真の下の方に、未処理の穴が開いているのが見えますね。
これもけっこう面倒です。


2021年3月22日
いろいろいじっていると、時々動作がおかしくなります。
発振対策したBGA2869が稀に発振してしまうようです。
この部分も作り直します。

新たに作り直した50MHzの水晶発振器→BPF→AMP(BGA2869)の基板です。
穴だらけなのは、両面基板の裏・表を接続するものです。
φ1の穴で、φ0.8のメッキ線を通して、ひたすら裏と表を
はんだ付けして接続します。
裏面は完全にベタGNDです。


基板の右上、Gain=30dBのAMP(BGA2869)を載せる部分を拡大したところ。
6ピンのICです。足のピッチは0.65mmです。
6本のうち、3本がGNDで、残りの3本が入力・出力・電源ピンです。

左側の2本、右側の1本(青色で示しました)がGNDです。
左側の下が入力、
右側の上が出力、下が電源入力です。
このICの左右をGNDパターンで区切るのが安定動作の要のようです。
ピッチ変換基板ではこれができませんでした。

部品を実装したところ。
安定に動作しました。
シールドは厚み0.3mmの銅板です。
まだ全てのシールドはしていません。
囲まれてしまうとはんだ付けしにくいので。


こちらが450MHzのアンプ基板です。
【450MHzのBPF】→【20dB AMP】→
【450MHzのBPF】→【分配器】
となっています。
こちらもAMP部まで動作しました(上半分)。

あ~、新しいスペアナで測定した画面コピーが
白紙(スペアナの枠はあるのに、肝心の測定した波形が無い!)
になっていました。何か設定があるんですね、、、
USBメモリが使えるのでルンルンだったのに。

最初の1枚がうまくPC上で見えたので(BMPファイル)、
あとはUSBメモリを抜き差しするのが面倒ですから
PCで確認せずにどんどん測定してはUSBメモリに
記録してました(記録したつもりになっていた)。

有線LANもできるので、PCとはLANで繋いでおくと
いいかもしれません(でもWindows98なんですよね)。