450MHzのクロック生成(その1 失敗)  (2021年4月25日)

中国のEleCrowという会社に製造依頼したDDS基板です。
これに部品を実装しました。
黄色の丸の中がDDS(アナログデバイセス社のAD9952)です。
赤いジャンパー線がいっぱいありますが、GNDと信号線重視で
電源(1.8Vと3.3V)ラインをパターン化できませんでした。

これから作る無線機は7MHz帯と10MHz帯の2バンドのCW専用です。

受信機はシングルスーパーで、局発とBFOが必要ですので
DDSは2個使います。

送信機は混合せず、1個のDDSの出力を増幅して、送信します。

受信機の中間周波数は9MHzです。
第1DDSで、送信機の7MHzと10MHz、そして受信機のBFO(9MHz)
を発生させます。

第2DDS(まだ作っていない)で、受信機の局発(VFO)の
16MHzと19MHzを発生させます。

第1DDSの一番高い周波数である10.15MHzを測定しました。


0〜20MHzの範囲を観測したところ。
近接した周波数にスプリアスは見当たりません。


10.15MHzを中心に100kHzの範囲を観測したところ。
スプリアスはな〜んにも見えません。


0〜500MHz(15〜500MHz)を観測したところ。

このスペアナ(WCA230A)はDC〜20MHzの範囲を測定する場合は
観測信号は直接A/Dコンバータに入力されます。
20MHzよりも高い範囲を測定する時は、周波数変換器に入力され、
その後にA/Dコンバータに入力されます。
では、例えば、0〜500MHzの範囲を測定する場合はどうなるか?
これは「できない」のです。
0~500MHzを測定しようと設定(START=0,STOP=500MHz)すると、
画面には15〜500MHzの測定結果が表示されます。
0〜15MHzの範囲は、表示されません
(上の画像のように左端は空白になります)。

マニュアルをさんざん読んだのですが、どうやらこれが仕様のようです。
0〜500MHzを観測する場合は、
0〜15MHz(または0〜20MHz)と、15〜500MHzと
2回に分けて観測する必要があります。

まあ、それはそれとして、2倍高調波よりも高い部分に
いっぱいスプリアスがあります。
DDSとはこういうものです。


DDSの出力の後ろにLPFを入れました。
だいぶきれいになりました。

・第2高調波は、基本波に比べ74dBぐらい低いです。

・450MHzは、この後のアンプでは増幅されないでしょうし、
 最終アンプの出力にもLPFを入れるので問題ありません。


2021年4月30日
DDSが動くようになって、7MHz、9MHz、10MHzと出力周波数を変えると
10MHzの出力が低いことに気づきました。

DDS出力(LPF無し)は、-6.4dBmぐらいでした。
(40MHzぐらいまで見ました、周波数に依らず、ずっと一定でした)。

その出力の後ろに、カットオフ周波数=10.5MHzの7次チェビシェフLPFを
入れたところ、必要な周波数のうちで一番低い7.0MHzと、
一番高い10.15MHzで若干、出力電力が違ってきました。

7MHzは-6.7dBmぐらいですが
10.15MHzは-9dBmと、カットオフ付近で少し出力が低いのです。

DDSから0〜20MHzを連続可変させて出力をみたところ、
9.5MHzぐらいからダラ下がりしています。

チェビシェフ型のLPFなので、カットオフの肩部分に少しピークが
出るはずなのですが(シミュレータで確認済み、コイルのQは100程度に設定)、
そうではなくて、 周波数が高くなるにつれてダラダラと下がっていくのです。
LPFの特性が悪いので、LPFのインダクタを交換してみます。


上の大きいのがT37、下が取り外したT25です。


だいぶコアが大きくなりました。
巻線もφ0.4からφ0.6と太くしました。


交換して特性を取りました。
おお、10.15MHzで-6.77dBmと、それより低い周波数と同じに
なりました(古いインダクタの時の特性を記録するのを忘れました)。
若干、特性が波打っているのは、チェビシェフ型なので、こういうものです
(リップル=0.5dBで設計しました)

これで7MHzの2倍の14MHzで35dB減衰します。
20MHzで約60dB(59.391dB)減衰します。
本当は周波数帯を変える時にLPFを切り替えるのが
いいのですが、これでいいことにします。

送信の場合は、この後、軽く増幅して、7MHzと10MHzの
2種類のBPFを切り替えて入れることにします。