DR650SEの吸気系いじり(キャブその7)  (2020年10月3日)

あいかわらず、キャブをいじっています。
どうしてもアクセルを全閉した時にエンストします。
車検が9月28日に切れるので、とりあえずいじったところは全て元の状態に戻して
車検を受けました。車検の排ガス検査は、問題なく通りました。

ネットをさまよっていますと、「信号待ちでエンスト」という記事を見つけました。
その人もキャブを掃除したりしても直らず、結果、エンジンの排気バルブの
クリアランスが狭くなっていて、その部分を調整したら、エンストしなくなったと。

お〜、バルブのクリアランス(タペット調整)は今までしたことがありませんでした。
私の頭の中では
 「経年変化による摩耗クリアランス増大エンジンからカチカチ音(タペット音)がする
という構図だったのです。
私のDRはタペット音がしないので、クリアランスは正常なのだろう、と考えていたのです。

しか〜し、経年変化でクリアランスが減少することもあるのです。
これはバルブとエンジンのヘッドとの当たり面が摩耗した場合に起こりうるのです。

ということで早速、DRのクリアランス調整(タペット調整)してみることにしました。
はい、IN側は正常範囲内でしたが、EX側のクリアランスはほぼゼロでした。
EX側のクリアランスを0.2mm(正常範囲は0.17〜0.22mm)に調整して試運転すると、、、
アクセル全閉でエンストする現象はピタリと直りました!!!

5月のゴールデンウィークから5ヶ月間も悩んでいた不具合が遂に直ったのでした。
キャブレタのせいではなく(多少はあったのかも---2次エア吸引は確実にありました)、
排気バルブのクリアランスのせいでした。

バイク屋さんでこの話をすると、
 「むしろタペットクリアランスは経年変化で減少することが多い」
とのこと。そうなんだ〜


アイドリング不調が治りましたので かつぼんスペシャルセッティングに戻します。
いや、まあ、そんなにたいそうなもんではなく
 ジェットニードルと、メインジェットを交換する
 エアクリボックスの吸気孔を大きくする
だけです。

また、タペット音が気になりましたので、ほんの少し クリアランスを狭めることにします。


かつぼんスペシャルジェットニードルに交換します。


チョークノブをキャブ直付けにしてましたが、操作性が悪いので却下。
DR650SE本来のハンドル付近からワイヤー駆動のチョークノブに戻します。
キャブを車体から装着・脱着を繰り返す時は、ワイヤーの脱着の手間があるので
上の写真のようにチョークノブ直付けの方が手間が減って良いのですけどね。


ノーマルと同様のエアクリボックスです。
エアクリボックスに開けた穴はガムテープで塞いでいました。


豚鼻(シュノーケル)をエアクリボックスから引っこ抜きます。
けっこう奥まで刺さっています。
マイナスドライバーでこじりながら引っ張ると抜けます。


ガムテープを剥がします。
貼った時に暑かったせいか(糊が溶けて)、剥がれにくかったです。
この後、パーツクリーナで残ったガムテープ(+糊)を溶かして綺麗にしました。


クランクシャフトを回すためのキャップを開けて、


圧縮上死点に合わせて、


バルブクリアランスをシックネスゲージを使って調整します。
IN側は0.08mm、EX側は0.17mm(いずれも規定範囲の最小値) にしました。
昨日はIN側0.1mm、EX側0.2mmに調整しました(キリが良いので)。
やや狭くして、タペット音はほとんど気にならなくなりました。


エンジンはすぐにかかりました。
少し暖気した後、エンジンの圧縮をプレッシャゲージで調べました。


ちょうど1000kpaなので10.2kg/cm2です。
基準値は8.5kg/cm2なので問題ありません。

試運転しましたが、うん、最高です。

暴力的なほど加速します。フル加速で1速から2速に入れた時、
ふわ〜とフロントが浮きそうになります。
今までは1速の時に、無造作にクラッチを繋ぐと浮き気味になりましたが、
2速でクラッチミートした時に浮き気味になるとは!

ギンギンに走らせた後でも、おとなしく走らせた後でも
アクセル全閉すると、アイドリングは安定していて エンストしません。

またドルンと空ぶかしした後の回転の落ち具合も良好です (元に戻りました)。

これで不具合は全く無くなりましたし、キャブのチューニングもうまくいって
ゴキゲンな状態になりました。

めでたし、めでたし。


2020年10月11日 追記】
新品の熱価9番のプラグで60kmほど走りました。
ちょうどいい感じです。
アクセル全閉からの開け始めが若干薄いようで、チョークを5分ぐらいしています。
充分に暖まってしまえば、問題ないのですが、パイロットジェットを#42.5(ストック)から
#47.5に交換しました。#45でも良かったのですが、#45が行方不明でして。
パイロットスクリューは1回転戻し。これでいいようです。
しばらくこれで走り込んでみます。

キャブのセッティング情報
       項 目  ストック   現在 
 パイロットジェット  #42.5   #47.5
 パイロットスクリュー戻し回転数   2回  1回
 ジェットニードル  削って改造 
 メインジェット  #140  #148
 エアクリーナボックス  シュノーケル撤去、別途φ45穴開け 


2020年10月24日 追記】
メインジェットを#148から#160に換えてみました。
濃過ぎです。
7000rpm以上はボコボコ言って走りません。


メインジェットを#152にしてみました。
#160よりはマシですが、まだ濃いようです。
#148に戻すのが良いようでしたが、ここでエアクリボックスの側面のフタを外してみました。
それが非常に良い!
7500rpmまで伸びが早いです。今までで一番良いです。

エアクリボックスの上部にあるシュノーケルを外し、φ45の穴を開けただけでは
空気が足りていないのです。側面のフタを開けっ放しでオフロードで走るのは
ヨロシクないので、エアクリボックスの上部にもっと大きな穴を開けることにします。


120kmほど走った後のプラグです。
熱価9番ですが、ちょうど良い焼けでしょう。


エアクリボックスの側面を開放する代わりに、
上部をくり抜くことにしました。
既に穴が2個開いているのですが、ザックリと切り抜きます。
マジックインクで印を付けて、


丸いエッジ部分はφ18の穴を開けて、


100Wのハンダゴテで溶断します。


ほい、できた。

この状態で通勤を繰り返し、問題ないようだったのでツーリングに出かけました。→ ここをクリック

何の問題もありません。ここまでの改造の様子をまとめました。→ ここをクリック

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マフラー交換 まとめ