DR650SEの吸気系いじり (キャブその5)  (2020年6月17日)

二次エア吸入から調子を崩してしまったDR650ですが
今日はエアクリーナボックスに穴を開けて、かつぼんスペシャルニードルを
組み込みました。

エアクリーナボックスのシュノーケルの穴の下にもう1個穴を開けます。


ホルソウと同じ径の紙で、どの辺りに穴を開けるか、決めました。


エアクリーナボックスはプラスティック製なので簡単に穴が開けられますが
切り粉が出ますので養生しておきます。

エアクリーナボックスの中にあるエアクリーナはスポンジに油を含ませたもの(湿式)
なので切り粉が付着すると厄介です。スポンジは外しておいて、切り粉がキャブへの
経路に行かないように新聞紙を詰めておきました。


さて、穴を開けます。


開きました。


バリをカッターで切り取って、掃除機で切り粉を吸って、完了。


そしてキャブレター内部です。
ニードルジェットを外しました。
ニードルジェットを外すとスライドバルブのガイド(上の写真の右側)も外れます。
汚れていたので掃除しました。


ニードルジェットのニードルの刺さる部分を目視チェックしましたが、
削れているようには見えませんでした。
しかし、この際、新品に交換しました。

ニードルジェットにはOリングが付いているのですが、このOリングは
パーツリストに載っていないようです。ちょっと変形してて、できれば
交換したいところなのですが。


ニードルバルブを交換します。
このフロートは2つの樹脂パーツで構成されていて、これを分離しないと
ニードルバルブが交換できません。なかなか分離できす、手こずりました。


銀色の円筒形のものがニードルバルブです。


ようやく分離できてニードルバルブを外すことができました。
目視では異常はなさそうでしたが、14年間使い続けたものですから
この際、新品に交換します。

油面を規定値に合わせました(交換する前も規定値に合ってました)。


かつぼんスペシャルジェットニードル(下側)を付けました。


30kmほど走ってみました。
なかなかゴキゲンです。
アクセルを開けた時に鋭い加速をします。ぐっと体が後ろに引っ張られます。

熱価8番のプラグがやや黒いです。
少し濃いようなので、かつぼんスペシャルジェットニードル(長ぇよ)のクリップ位置を
1段上げ、薄くしてみました。

ここで時間切れ。明日から雨のようなのでしばらく休憩します。


ここから2020年6月20日
かつぼんスペシャルジェットニードルのクリップ位置を1段上げて(上から2段め)
薄くして30kmほど走った後のプラグです。熱価は8番
焼け具合が非常に良くなっています。
黒いススが全く付いていません。

ただアクセルの開け始めが悪いままです。

暖まって、アクセル1/8〜全開はホンマええ感じ。
でも冷間時は、アクセル全閉から少し開けて走り出そうとしたら、
スパンと回転が下がってトルクが出ず、発進できません。
これは「薄い」状態と思います。
「濃い」ならゴボゴボいうはず。

「薄い」と思われるその他の事象。
 ・パイロットスクリューは3回以上戻した方がマシ。
 ・エアクリボックスに開けた穴をガムテープで塞ぐと、マシ。
 ・暖まれば、ほぼ気にならない。
 ・暖まっても、アクセルを戻した時の回転の落ちが悪い。


そこでパイロットジェットを濃くしてみます。
ストック状態(#42.5)から#45に変えてみましょう。


これです。
いくらかマシですが、やはりヨロシクありません。
もっと濃くする必要がありそうですが、手持ちがありません。

#42.5→#45ではほんのわずかしか変わりませんでしたので、
#50以上にする必要があると考え、
#50、#52.5、#55をWebikeに注文しました。
在庫がなく取り寄せになるので、3〜4日かかるようです。
また来週やね。


ここから2020年6月27日
パイロットジェットをWebikeに注文しました。
#55は2〜3日で入荷するとのことでしたが、
#50#52.5入荷するのが8月中旬と。

そんなに待てないので、いろいろネットを検索していると
SR400/500のものが使えるようです。amazonで翌日に届きました。

まず、#50に交換してエンジンをかけてみたのですがまだ薄いようなので
#55に交換。相当良くなって、これでしばらく乗ってみようと思います。
でもまだ薄いようです。

ストックが#42.5で、エアクリーナボックスに穴を開けただけで#55でも
薄いとは何かおかしい気がします。そこでネット検索してみました。


海外の掲示板"Adventure Rider" で、こんな投稿をみかけました。
dflowさんという人の投稿です。
DRのキャブレタの油面のチェックするのに、ドレインに透明ホースを取り付けて
実際の油面を目視するというものです。
dflowさんが言うには
「適正な油面はフロートチャンバーとキャブ本体との嵌合面よりも1.5mm上」 と。
上の写真は、その適正と言う状態です。
確かに嵌合面よりも油面は上にあります(2mmぐらい上でしょうか)。

私も同様にやってみたところ、私のDRの油面は嵌合面よりも3mmぐらい下にありました

油面が低いとフロートチャンバーのガソリンが上に吸い込まれにくくなるので
「薄い」状態になります。特に吸入の負圧が低い低回転時に影響が大きいはずです。


↑はサービスマニュアルからの抜粋です。
一応、この通りに油面を調整したのですが、うまくいっていないようです。

while float arm is just in contact with needle valve
フロートのアームがちょうどニードルバルブと接触した時
とありますが、ニードルバルブが実際にガソリンの流入を止める位置は
そこではないですし、ニードルバルブの部品毎のバラツキがあるのですから、
この調整をしたからといって、油面がどのDR650でも同じになるとは限らない
ような気がします。

キャブのメーカーが出荷時に調整するにはこの方法が簡便で
いいのでしょうけど。

透明ホースで油面を再調整してみます。
油面を変えると、今までせっかくあれこれ調整していたニードルや
パイロットジェットもまた変わるかもしれませんね。
また来週末かなぁ、、、


ここから2020年7月2日
油面が低い、と思っていましたが、実はそうではないようです。
写真を撮ろうとやってみたところ、嵌合面よりもやや上に油面がありました。
燃料コックをOFFにしていったんフロート室からガソリンを全部抜き、
もう1度やってみましたがOKでした。

そう言えば、もう何度もやっていることですが、
フロート室を開ける時、ガソリンがもったいないので
フロート室を水平に保ちつつネジを緩めると嵌合面からガソリンが
こぼれ出てきてました。これって油面が嵌合面よりも上にあるから
ネジを緩めると、嵌合面よりも上にあるガソリンが出てくるわけで。


そこで、キャブのガソリン注入口にあるフィルタが詰まっていないか
チェックしました。ここが詰まっていると、エンジン回転を上げた時に
ガソリンがフロート室に入るのに時間がかかり油面が下がるからです。
僅かなゴミはありましたが、問題なさそうでした(写真は既に掃除済み)。


そこでエアジェットを新品に交換しました。
もう交換する部品がないんですよね、、、
こいつは小さいクセに¥1500もします。
スズキ純正部品です。
古い部品はちょっと汚くなっていました。
もしかしたらエアジェットの穴が広がって、空気量が増え、
パイロットジェットの番手を大きくせざるをえないようになったのかも、と。
パイロットジェットは#55を付けていましたが#50に交換して
走行してみました。

まず冷感始動ですが、チョークしてもかかりません。
そこでチョークせずにアクセルを1/8ほど開けて、セルモータを
回すとかかりました。
そしてそのまますぐに走ることができました。
チョーク要らんやん。濃い?
10kmほど走ってみて、プラグを見るとかなり黒くなってました。
やっぱり濃いんだ。

そこでパイロットジェットをストックの#42.5に戻しました。
これだと始動時にチョークが必要でした。

やっぱりエアジェットの穴が経年劣化で大きくなって
薄くなっていたようです。
な〜んや、パイロットジェットいっぱい買ったのに。

ここまでの試行錯誤。
・インマニとエアクリボックスとキャブをつなぐゴムチューブ交換。
 (後者にパーツクリーナを吹くとアイドリング回転上昇)。

・エアクリボックス加工

・ジェットニードル(かつぼんスペシャル)製作

・メインジェット #140(ストック)→#148

・パイロッジェット #42.5(ストック)→#45→#50→#55→#50→#42.5
 (結局、元に戻った)

・エアジェット ストックのまま新品交換。

・ダイヤフラム、スライドバルブ、Oリングいっぱい新品交換。

その1 その2 その3 その4 その5
このページ
その6 その7 マフラー交換 まとめ